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相続コラム

2024.12.09

「寄与分」・「特別寄与料」について

こんにちは。
今日は、先日弊社にて相談があった「寄与分」「特別寄与料」のお話しをさせていただきます。
令和元年7月1日より、相続法(民法の一部)の改正により「特別寄与」という制度が創設されました。

寄与分とは
被相続人のために特別な貢献、援助した相続人が遺産分割で法定相続分よりも多く財産を相続できる制度です。

例えば、被相続人に介護が必要だった場合に特定の相続人だけが介護を行ったケースなどが挙げられます。ただし、寄与分の貢献の評価方法については、法でも明確な規定がないため、具体的な金額を計算することが難しく、寄与分の額に納得できず争いが生じてしまうケースもございます。

寄与分と特別寄与料

寄与分特別寄与料
対象者相続人相続人以外の親族
行為の範囲労務提供を行ったことによる財産の維持・増加(民法第904-2)無償にて介護等の労務を提供による特別の寄与(民法第1050)
利益相続財産の割合増加特別寄与料

寄与分と特別寄与料大きな違いとしては、相続人か相続人でない親族(長男の嫁等)で分けられます。

特別寄与料の要件
・被相続人の親族であること
・被相続人に対して無償で介護等の労務を提供したこと
・被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたこと

※ここでいう「親族」とは「6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族」(民法第725条)

特別寄与料の計算方法
明確な規定は存在しませんが、特別寄与が介護であった場合の1つの目安となる計算方法をご紹介します。

介護を行った場合の日当額×介護日数×裁量割合
※裁量割合とは、介護を行った相続人以外の親族が専門職でない場合に一定の割合を考慮します。(0.5~0.8を乗じるのが一般的です。)

特別寄与料の請求方法
特別寄与者と法定相続人で特別寄与料の請求について話し合いをすることとなります。
当事者間で話し合うのが難しい場合は、特別寄与者が定められた期限(相続人を知った時から6ヶ月以内等)までに、家庭さん番所に調停の申し立てを行ってください。

注意点
・特別寄与料は、「みなし相続」として相続税の課税対象になります。
・特別寄与者は、「相続税の2割加算」の対象になります。
・相続税の申告期限は、特別寄与料の額が確定したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。

実務上特別寄与料の請求は簡単ではありません。調停なども必要になることも多く、時間も費用もかかります。
特別寄与料の請求を検討されている方は必ず専門家にご相談ください。

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(民法改正に伴う相続税・贈与税の課税関係の考察)
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kenkyu/ronsou/105/04/index.htm